2025-01-08
プロンプトは呪文である
「いい曲を作れ」と命じても、いい曲は出てきません。出てくるのは、どこかで聞いた、誰のものでもない音です。
今朝もAIとこんなやり取りをしました。
「明るいポップスを」と頼む。返ってきたのは、どこの国の空港でも流れていそうな音。却下。次に「夜明け前の青い空気のなか、ひとりだけ起きている人のためのピアノ」と書き直す。すると不思議と、国の他の作品と地続きの音が返ってくる。
音の指示ではなく、情景。時間帯、温度、光の角度、誰がそれを聴いているのか。プロンプトとは、世界を呼び出す呪文に他なりません。
伯爵の独白
効いた呪文は、必ず手書きで控えます。呪文帳の実体は、机の上のロイヒトトゥルム1917PRという無骨な黒いノートで、魔導書と呼ぶには事務的な見た目ですが、ここに溜まった言葉こそ私の最大の財産です。機械に世界を作らせる言葉を、紙に書いて残す。この往復が気に入っています。
いずれ『伯爵の魔導書』として売店に並べ、工房講座では使い方まで伝授するつもりです。
ABI伯爵