2025-01-04
捨てる技術 ― 量産時代の唯一の作法
昨夜、AIにこう頼みました。「冬の夜明けのための曲を、十案」。数分後、十曲が机に届く。ここまでは、いまの時代、誰にでもできます。
問題はここからです。十曲を順に聴き、七曲目でようやく手が止まる。残りの九曲は悪くない ― ただ、私の国の音ではない。「悪くない」は、捨てる理由になります。
AIは一晩で百曲でも吐き出します。作ることは、もう仕事ではなくなりました。私の仕事の九割は、ボツ箱への配送業です。十作って九を捨て、一を残す。残した一が、国の品位を決める。量を作れること自体は質を落としません。質を決めるのは、何を残し何を捨てるかという選別眼だけです。
道具も同じです。役目を終えた古いノートパソコンを片付け、MacBook Air M4PRに選別作業を任せることにしました。捨てられた九十九曲も、無駄ではありません。何が世界観から外れるのかを、身をもって教えてくれる先生です。選び抜かれた残りものだけが、展示の門に立つ資格を得ます。
ABI伯爵