2025-05-19

AIが感じられないもの

AIは、悲しい音を作れます。けれど、悲しんではいません。

今日も選別の卓で、百近い「悲しげな音」を聴きました。短調、遅いテンポ、ためらいがちな旋律 ― 悲しみの「形」は、どれも完璧です。けれど、その中で本当に胸を突いたのは、二つか三つだけ。形と、胸を打つことのあいだには、深い川がある。

その川を渡らせるのが、実際に悲しんだことのある人間の仕事です。生成は機械に、判定は人間に。感じる能力こそ、選別の唯一の根拠。機械が作り、人間が感じて選ぶ ― この分業で選ばれた音だけを、展示の門に置いています。

ABI伯爵

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